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執筆者の写真Toshiya Kakuchi

GMT / 13:00

違和感が欲しいとずっと思っていた。始まる前にそれだけは先に書いておきたい。



今回は、商品が入荷したわけでもない、まだ見ぬものを書くブログとなる。




日本時刻の22:00頃なので、あと数十分もすると「PARIS FASHION WEEK ONLINE」上でkolorの2021年春夏コレクションが公開される。



すでに詳しい方も多いと思うが、世界的な感染症対策が講じられている一環で2021年春夏シーズンはパリコレの歴史上初めてオンライン上での発表が決定された。



すでに半分程度のスケジュールが終了しているので、皆様もすでに公開されている様々なブランドの未来の新作をご覧頂くといい。



日頃から偉そうに話している私はと言えば、一度もパリコレのショウを生で見たことがない完全なるモグリバイヤーだが、何となくではあるが今回だけは世界のバイヤーと同時に新しい取り組みに参加できる(ような気分を味わえる)ことを少しだけ楽しみにしていた。



kolorの発表を待つ間も当然色んなブランドの映像を拝見し、私のような凡人とは次元の異なるその素晴らしさに唸ったブランドも多かったが、映像や時間差という条件をどのように調理するが見ものである中で、直球的なショウ要素を取り入れたFACETASMの圧倒的東京感や、横綱の貫禄と余裕をまざまざと見せつけるDRIES VAN NOTEN、話題のCASABLANCAも多くの人たちを惹きつけるだけの未来的エレガンスを視覚と聴覚でしっかりと感じさせ、もともとこのような次元の演出は得手であろうとは察していたが持ち味が完全な形で演出されているdoubletなどはストーリーの組み立て方まで完璧と言える素晴らしい内容だった。



残念ながら、例に挙げたようなブランドのことは以前から大変尊敬しているが店の方向性としてトゥーマッチであろうかと(その前にブランド側から相手もされないだろうが)思い、門を叩いたこともないが、言ってしまえば日頃からベンチマークしている教科書の一部である。



さあ、本題のkolorだがどのようなことになるのか全く予想がつかない。



いずれ詳細については触れることになると思うが、様々なブランドを経て2004年にスタートしたkolorが2012年シーズンに初めてパリコレ舞台に姿を見せ、その後一度パリから離れてしまったことも多くの皆様が知ったるところだろう。



そして再び今回、デザイナーの阿部さんがある場所で「F-1のようなところ」とも揶揄していたパリに戻ってきたことには大きな意味があると思う。



Bechicsがkolorの門を叩いたのはパンデミックが起こる前の2019年末だったが、この頃当然私はkolorがパリにカムバックすることは知るはずもなく、その頃ただひたすら考え抜いた結果、Bechicsに今一番必要なブランドの一つがkolorであったことを追って皆様に本音を交えてお話したい。



私の過去を知る方々からすれば、kolorというブランドと私が縁遠い関係ではないこともご想像頂けると思うが、正直なところ開業当初からお店に並べたかったブランドでもあり、しかし様々な理由で門を叩くことを控えていたが、あの頃は自分でもはっきりとBechicsがkolorに見合う店でなかったことを自覚していたこともkolorへ連絡できなかった理由として大きい。



店を作ってから5年目という節目と人生を転換してから5年間という時間の経過、そして今ならkolorというブランドをBechicsらしく表現できると少しの自信と勇気を振り絞りノックしたところ、見立てとしては限りなく100%に近く断られると思っていたkolorからなんとOKを頂けた。



Bechicsとして願ってもない強力な新しいパートナーがまた一つ増えたことは率直に個人的な喜びでもあったが、それ以上に店として進みたかった方向に矢印を向けられたことを今は何より嬉しく思っている。



間もなくkolorが目を覚ましてくれるような異次元のクリエイションを見せてくれるはずだ。

ファッションの未来を思うとき、kolorがその答えの一つになると確信している。



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