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店主 角地 俊耶

SET UP 「C&D」 by MAINU


MAINUの服は本当に面白いものが多く、一見ビギナー向けの服ではないように見えますが結果的にとてもよく売れているブランドの一つです。

明日から販売を開始するセットアップは、MAINUらしいとてもニクい上下で組まれた未だかつて見たことがないような組み合わせ。

例えるなら、明石家さんまと島田紳助がコンビを組んだ漫才。

私個人の感覚ですが、頂上&頂上のドリームタッグ的セットアップです。

(よく東京の人と間違われますが、こういう例えをするとしっかり関西人です)

実は少し前に軽〜くInstagramで匂わせていましたが、弊店で既に展開しているパンツは今回の組下になるモノでした。

これは、弊店がオープン当時から片時もお店からなくしたことがない、実はBechicsの一番の定番かつロングセラー商品でもある「Dicki◯s」の874モデルのアップデイト版です。

弊店では、Made in USAのソレを展開したりしていますが、このブランドの中で80年代頃に作られていた、股部分にガセットが入った仕様のデザインを今回MAINUは採用されていて、オリジナルにはない素材切り替え&インサイドラインを仕込んだ非常に洒落たアレンジが効いています(オリジナルは同じ素材のガセットです)。

さらに、素材もオリジナルではT/C(テトロン&コットン)、もっとわかりやすく言うとポリエステル&コットン素材を使っていますが、まるでT/Cのようなタッチのジャリっとした綿100%の素材を使い、ワンランク上品な表情にしている(そして後述のアイテムにもリンクする)点もまたニクい一面です。

ちなみに、Di◯kiesのアレが何故T/Cでガセット入りなのかの話を少しすると、単純にT/Cはハードな作業に耐えうる強度がありつつ生地が安い。そして、ガセットに関しては諸説ありますが、型紙を作る上で切り替えを作った方が生地の取り効率が良い(=余り生地が少ない)との説が有力です。

つまり、ファッション的な理由での生い立ちは一切なく、都合によって生まれたデザインであるにも関わらず我々ファッション好きな人たちからすれば狙ったファッション以上の魅力があるという、そんなところが名品たる理由であろうかと思います。

さて、もう一方のトップスはと言えば、ジャケットではなくベストです。

D◯ckiesにベストなんてあったっけ…?という声が聞こえてきそうですが、なんとこのベストは同じく80年代頃にあらゆる著名な方々から愛された「Ca◯hartt」のダックボアベストがモデルになっています。

フロントのジッパー使い、長めに取られたバックテール、胸の切り替えなどのオーセンティックなディティールと、前述のパンツ同様に真っ黒のタグを縫い付けた仕様は、見る人が見れば一発でわかるあの雰囲気です。

ダック独特のハードタッチを上品かつ手触りのあるコットンへ変更している点は、先ほどのT/Cをアップデイトしたような感覚ともまた違い、どちらの視点で捉えてもこれ以上ないくらい良いアップデイトがされた素材選定であるように思います。

最も気分な黒ベースの色彩設定や、今着たいちょうど良い感じのシルエットへの変更は組下のパンツ同様パタンナーMさんの至高の技を感じる点で、一見大味に見えるMAINUが上っ面ではないことを思わせる、Bechicsがこのブランドを選ぶ最大の理由でもあります。

よく考えてみれば、両者それぞれが普遍的な存在であるにも関わらず協業することがないブランドは他にもあって、Levi's×Leeとか、New Balance×NIKEとか、そういう協業がない理由も簡単に察することができますが、あれば嬉しいものの典型であると思うと、そんなことをサラリとしてくれるMAINUってやっぱり視点が面白いしとても洒落ています。

大変申し訳ありませんが、既にパンツは在庫が少ないため上下揃えてご案内できるケースが多くはありませんが、信じて先にパンツをご購入頂いたお客様は是非、ベストだけ使いたい方も十分楽しんで頂けるものになっていますので、皆様どうぞ新しいMAINUの名品をご覧にいらしてください。

CINOHのセットアップももっと着たいし、SEEALLのパンツも早く履きたいし、unfilのシャツはちょっと着すぎだけどまだ着たい、ARTの別注パーカはいつ着るかわからないけどとりあえず買って…と、いうような激しく私物化をしまくる今シーズンのカクチですが、とりあえず明日と明後日は絶対的にオススメなMAINUを着て皆様をお待ちしております。


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