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店主 角地 俊耶

Consacrer au grand Yves Saint Laurent


2018年は、イヴ・サンローランにとって様々な区切りとなる年です。

1958年に21歳という若さでChristian Diorのデザイナーに就任し、1962年には自身のブランド「Yves Saint Laurent」を立ち上げます。

その後、1968年に発表したコレクションは歴史に残るスタイルを生み出したとして現在も語り継がれており、「シースルー」「パンタロン」「サファリ」などのキーワードはこの瞬間から市民権を得ており、その翌年の69年にメンズラインを立ち上げました。

デザイナーとして60年、最盛期から50年、そして、没後10年になります。

また、サンローラン氏を取り囲んだ「ルル・ド・ラ・ファレーズ(今回の18SSコレクションのキーマン)」をはじめとしたYSLメンバーの中で、最も氏に近く、YSLのブランドを世界に馳せるまでに押し上げた功労者であり、文化人としてもフランスの歴史上に名を残したピエール・ベルジェ氏が2017年9月にその一生を終えたことも記憶に新しい出来事です。

そういった意味でもYSLはいよいよ創始者の遺伝子が失われつつある今、長くその歴史を見てきたmandoさんがオマージュとしても発表されたのが18SSのラインナップです。

私は2000年前半にmandoブランドを始めて見てからというもの、いつでもmandoのコレクションに対して「サンローラン」を探してしまうような、良くも悪くもそんな意識が根付いてしまっていて、この20年弱の年月の中でmandoらしいと感じるコレクションはいつでもフランスの、エスプリの効いたこなしを感じた時だったように思います。

そして、今季そのコレクションを見た時にはっきりとその片鱗を感じ取ることができ、高巣満導さんが氏を思い作ったコレクションピースからは、はっきりとmandoの核が見えました。

最初に結論を言えば、今シーズンのコレクションはここ数年の中でも特にmandoらしい内容であるように思います。

今回のコレクションの舞台となったのは「キューバ」。

その町並みや文化的な背景など様々な要素からインスピレーションを受けて、色やデザインなどを吸い上げ、ドレスへ昇華されています。

美しいデザインに、独特で力強い色が加わったコントラストや、ミリタリーをファッションとしてアップデイトした品々は、既存の概念を否定することなくカルチャーそのものを包括したような出来栄えです。

改めて、お店に並ぶこれらの商品を見て私はある言葉を思い出しました。

「ファッションは廃れるが、スタイルは永遠である」

2018年SSシーズン最初のブランド紹介は、Monsieur mandoのコアを強く感じることができる素晴らしいコレクションから。


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