男性の洋服において、綿や麻素材などと比べると敬遠されてきた絹(シルク)素材。
女性服ではいまやシルク混という商品は割合多く、シルクが使われていることは店頭でもポジティブな接客トークの一つになっていますが、男性はまだまだシルクに対して苦手意識が強いように感じます。
その理由として”取り扱いが難しいイメージ”が挙げられますが、こと素材に関しては男性より女性の方が知識が深い方も多く、家庭の中でも「洗濯をする側」である(場合が多い)ということや、肌に触れるものに対しての意識が高いことなど、実際的な知識をお持ちの方はシルクの良さを知られており、それを好まれる傾向にあるように思います。
素材自体が一つのトレンドとも言えるような今春夏に、シルクが注目されるのは当然かもしれませんが、今一度そのシルクの特徴についてわかりやすく解説しながら一つの商品をオススメさせて頂きます。
天然繊維の代表とも言えるシルクは、カイコの繭(まゆ)からできたもので、もとは昆虫がサナギを気温や紫外線などを含めたあらゆる外敵から最適に保護するために作ったものが原材料です。
シルクを使った代表的な商品といえば、フォーマルなドレスや着物などがそうです。
独特の気品ある顔つきが好まれ、ハレ着といえばシルクを使うという文化がこれだけカジュアル化した現代でもまだ続いており、『エレガンス』をもった洋服には必ず用いられています。
シルクは天然繊維でありながら、夏は涼しく冬は暖かいという特性をもっていることから、パジャマはもちろん寝具の類に使われることが多く、人間が最もリラックスできる素材であるとも言われています。
この、”夏は涼しく冬は暖かい”という矛盾に対して理解に苦しむ方も多いのですが、生命の誕生に用いられる素材がもたらす奇跡といえば、なんとなく腑に落ちていただけることでしょう。
また、シルクは人の肌に近いタンパク質繊維なので、肌触りが非常に良いことも特徴。
アトピー性皮膚炎などの肌がデリケートな方ほどその良さを体感しやすいのですが、サラリとした独特なタッチは一度ハマると病みつきになる快適性があります。
そして、シルクは洗濯が可能なものも多くなっており、優れた吸放湿性からもサッと乾くため非常にメンテナンス性に優れた一面も魅力です。
夏には「コットン×シルク」「シルク×リネン」などがあり、冬には「シルク×ウール」「シルク×カシミヤ」などがありますが、それだけシルクには年中用いられる万能性と高級感を兼ね備えた良さがあり、シルクを模して生まれた背景のある化学繊維もいまだにその代役が務まっていない現状です。
AURALEEにはこのシルクを極上のコットンとブレンドした素材を使った、セットアップで着られる商品があります。
フィンクスコットンという、コットンの中でも極めて美しい表情をもつ最上級の綿素材とシルクの混紡素材は、シルクの軽さ・快適性・エレガンスと、コットンの持つ堅牢性・安定性を両立させたまさに極上素材の掛け合わせです。
オープンカラーでウエストにアジャスターベルトがついているシャツジャケットは、一枚で着ることはもちろん、秋には薄手のニットの上から羽織ることなども無理なくできるたっぷりとしたデザインで、組下のイージーパンツはスラックスのような使い方から、旅行先のホテルの館内着としてなど、ちょっとしたUPが求められる場所までフォローしてくれます。
セットアップの少し気になる一面でもある、バラした時に少しだけ感じる分離感は全くなく、それぞれが単品でも十分に着まわしていける本当に優れた組み合わせ。
シャツ単品でも、パンツ単品でも十分な活躍が期待できますが、やっぱり両方欲しくなるのがこだわりの強い男子の性でしょうか。笑